愛知県の知多半島を出て、西へ。目指すは京都市三条通りにあるいちごのお菓子専門店「メゾン・ド・フルージュ 苺のお店」です。
メゾン・ド・フルージュ 苺のお店のオーナーであり、いちごのお菓子研究家のワタベさんとの出会いは、ホームページからの問い合わせであった。
京都で苺のお菓子専門店をしております。
日本全国よりこだわり苺を取り寄せて1年中苺が楽しめるお店です。
御社の苺を是非見せてただきたくご連絡致しました。
株式会社ミュウ ワタベミカ
「苺を是非見せていただきたく・・・と言われてもな。来るなら来てもいいけど。わざわざ京都から来るのかな?」そう思いながら連絡をとった。出荷作業と徹底した品質管理のため早朝から夕暮れまで作業に追われる夏季の奥田農園。正直、気にも留めていなかった。
数日後、奥田農園にやってきたのは、若くて可愛らしい女の子。「うち、いちご狩り農園じゃないんだけどな。」失礼ながらこれが最初の印象であった。しかしこの印象は一瞬で変わる。柔らかい笑顔から発せられる的確な質問。その内容から伺えるいちごに対する知識の深さと見識の広さ。この若さで京都の一等地にお店を構えているという実績。話をするほどに驚かされた。そして何より思いの強さ。日本全国一件一件いちご農家をまわり歩き、話を聞いて、試食をし、いちごを厳選しているということ。そして厳選したいちごの特徴が最も生きる方法で調理を行なっているということ。いちごに賭ける思いがひしひしと伝わってきた。
真剣な眼差しでいちごを見つめ、口に運ぶワタベさん。その一瞬、空気が張り詰める。一粒のいちごを吟味するその姿はグラスに注がれた一杯のワインをテイスティングするソムリエのようであった。
今回、愛知から京都まで足を運んだ理由はただ一つ。
「大切に育てた奥田農園の夏いちご、ワタベさんに出荷させていただきます。」
これを伝えるためだ。今季はすでに出荷先が決まっているため多くは出せない。しかし来季以降はできる限り協力したい。奥田農園にやってきたワタベさんを見てそう思った。
「えー、ほんまですか!めっちゃ嬉しい!」
と、喜ぶワタベさんを見て、こちらも嬉しくなる。来期も質の高い夏いちごが生産できるよう気を引き締めていきたいと思う。
メゾン・ド・フルージュ 苺のお店
http://ichigonoomise.com
〒604-8135 京都市中京区東洞院通三条下ル三文字町201 1F
075-211-4115